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  • 【特集記事vol.26】植物エキス

効果は・・・ほとんどありません!

「植物」と聞くと、自然なもので何となく肌に良さそうなイメージをお持ちではないでしょうか?
お肌に限らず「植物」なら安全で、体にも良さそうというイメージも思い浮かべてしまうと思います。

おそらく1950〜1980年代の石油合成化学物質による公害に人々が苦しんだからこそ、「植物=安全」を生み出したかも知れません…

化粧品に配合される「植物エキス」にも良いイメージをお持ちではないでしょうか?

自然でお肌に優しく薬効があるように思われている方もいるはずです。ただ、実際のところは、効果の期待はほとんどできません・・・

メーカーが業者から購入するエキスの原料はほとんどの場合、濃度が0.1%程度です。それを化粧品に約1〜3%添加しますから、みなさんがお肌につけるときには0.001〜0.003%。

こんな微量では、何の効果も期待できないということです。(ただ、皮膚に軽い炎症を起こす刺激性の血行促進剤なら、このくらいの微量でも効果がある場合もありますが。)


有害物質を含むものがたくさんあります

たとえ、植物エキスに薬効があったとしても、どれもそのままでは肌内部に入っていかない成分ばかりです。皮膚表面の角質層という死んだ組織にとどまっていたら何の薬効もありません。

そこで、浸透剤として合成界面活性剤を使い、皮膚のバリアを壊して肌内部に浸透させて薬効を期待させるものには注意。また、皮膚のバリアが極端に弱っている人もやたらに植物エキスをつけないことが大切です。

植物には意外と毒性物質が多く含まれており、薬効を期待するより、むしろ毒性を注意したほうが安全だからです。
化粧品の原料として使われている植物には、有害物質を含むものがたくさんあります。


例えば・・・

ひと昔前、コンフリーというムラサキ科の多年草が、健康野菜としてブームなったことがありました。
しかし、長期に渡って過剰に摂取すると肝機能障害を引き起こすことがわかり、イギリスやカナダでは飲食禁止になりました。

日本では、厚生労働省がコンフリー及びこれを含む食品について販売禁止になっています。
その一方で、コンフリーは皮膚表面を柔軟にする作用があるというので、現在でも皮膚柔軟剤に利用されています。

アロエも気をつけた方がよい植物です。美容や健康によい面も多いですが、皮膚につけると皮膚炎を起こしやすく、生理中の方や妊娠中の方は避けた方がよいといわれています。

美白で知られている「コウジ酸」という成分も、肝機能障害と発ガン性で禁止になりました。食品の着色剤として使われてきた「アカネ」という植物のアントラキノンという赤い色素も、肝機能障害の問題で使用禁止になっています。

このように、あとで危険性がわかるという例がたくさんあるのです。

植物にはそれぞれ身を守るための毒をもっています。


例えば、森に行くと「ムッ」とするような草息れにおそわれます。これは植物が発する芳香性の毒で、植物に有害な微生物を撃退するための、植物が自衛のために備えた「植物毒」の一種。

また、クマリンという植物の香料成分があり、これ自体に接触性皮膚炎や日光接触性皮膚炎などの刺激がありますが、さらに数多いクマリンの誘導体には光毒性のあるものが多いので注意してください。
とくにキカン科、マメ科、セリ科に多いといわれています。

●クマリンを含む恐れのある植物成分

アカシアセネガルエキス、アカシアセネガルガムエキス、アカツメクサ花エキス、
アカミノ木、アギ根エキス、アシタバエキス、アズキ種子エキス、アセンヤクエキス、
アニス果実エキス、アメリカサンショウ樹皮エキス、アルファルファエキス、アンゼリカエキス根エキス、
エンジュ葉エキス、エンジュ花エキス、オレンジ果実エキス、オレンジ果皮エキス、オレンジ花エキス、
カンゾウ葉エキス、グレープフルーツ果実エキス、グレープフルーツ果実水、コパイフェラオフィシナリス樹脂、
コリアンダー果実エキス、サンペンズエキス、シロバナルーピン種子エキス、ダイダイ花エキス、チョウマメ花エキス、
ナンバンアイエキス、ハネセンナ葉エキス、プエラリミリフィカ根エキス、プテロカルプスマルスピウムエキス、
ペルーバルサム油、ポンカン果実エキス、ミシマサイコ根エキス、ミモザテヌイフローラ樹皮エキス、ユズ果実、
ライマメ種子エキス、ラッカセイ種皮エキス、レスペデザエキス、レダマ花エキス、レビスチクムオフィシナーレ根エキス
など。その他多数あり。

植物エキスは安全ではありません

お肌が健康な人なら、問題なく化粧品成分として使うことができますが、皮膚バリアを壊すようなアンチ・エイジング化粧品や美白化粧品を使っている人は、「植物エキス」が肌内部に入る恐れが十分にあります。

「植物成分」が安全だという保障はありません。

人は眼で観察し、ニオイを嗅ぎ、舌で試し、それでも毒を食べてしまったら、嘔吐や下痢をし、胃腸で分解してから体内に入れられます。うっかり毒成分が体内に入ったら肝臓で解毒されますが…、皮膚にはそのような機能はありません。皮膚からものを入れるのは、不自然そのものなのです。

植物が食べて安全、皮膚につけるのは要注意です。


参考文献:「騙す化粧品」「化粧品毒性判定事典」「きれいな肌でいたい!化粧品をどう選ぶ?」